国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問52解説

 問 題     

非ステロイド性抗炎症薬に関する㋐~㋓の記述のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ アスピリンの解熱・鎮痛作用を発揮する血漿中濃度は、抗リウマチ作用を発揮する血漿中濃
度よりも高い。
㋑ ロキソプロフェンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)-1 よりも COX-2 に比較的選択性が高く、胃腸障害作用が弱いため、消化性潰瘍のある患者へ広く用いることができる。
㋒ インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した患者のうち、ジクロフェナクナトリウ
ムを投与された例で予後不良例が多いという報告があり、該当患者への投与は禁忌である。
㋓ メロキシカムは、COX-2 に比較的選択性が高く、胃障害作用が比較的弱い。1日1回の投
与で強い鎮痛・抗炎症作用を示す。

1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋒
3. ㋑ ㋒
4. ㋑ ㋓
5. ㋒ ㋓

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
解熱・鎮痛に対しても、リウマチに対しても 1回 0.5 〜 1.5 g 、1 日最大 4.5g までです。用法・用量に大きな違いがないため、効果発現する濃度も同等と考えられます。よって、㋐ は誤りです。

㋑ ですが
ロキソプロフェンは、COX-2 選択性が高くはありません。COX -2 選択性 NSAIDs といえば、セレコキシブなどです。よって、㋑ は誤りです。

㋒、㋓ は妥当です。
ちなみに、インフルエンザに対して使用できる解熱薬としては、アセトアミノフェン(カロナール)が推奨されます。

以上より、正解は 5 です。

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