国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問30解説

 問 題     

立体異性体に関する記述㋐ ㋑ ㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ 1,2-シクロペンタンジオールの cis 及び trans 異性体の沸点を比べると、cis 体よりも trans 体の方が沸点が高い。
㋑ 1,2-ジクロロエチレンの cis 及び trans 異性体の沸点を比べると、cis 体よりも trans 体の
方が沸点が高い。
㋒ 1,2-ジクロロエタンの配座異性については、気相と液相とでゴーシュ型とアンチ型の分子数
比が異なっており、気相よりも液相の方がゴーシュ型の比率が高い。

1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋒
3. ㋑
4. ㋑ ㋒
5. ㋒

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。
trans の方が OH 同士の反発が少なくより安定 → 沸点が高い と考えられます。

㋑ ですが
極性の有無により、trans の方が無極性なので、より沸点が「低い」と考えられます。一般に、極性分子の方が沸点が高くなります。よって、㋑ は誤りです。

㋒ は妥当な記述です。
ゴーシュ型は Cl が同じ側に存在する → 極性大 → 液相中でより安定しやすい → 気相よりも液相の方がゴーシュの比率が高い と考えられます。

以上より、正解は 2 です。

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