国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問25解説

 問 題     

剛体回転近似による二原子分子の回転に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。ただし J は回転量子数を表すものとする。

㋐ CO では純回転スペクトルを観測できるが、N2 では純回転スペクトルの観測は困難である。
㋑ H2 とその同位体分子 D2 を比較すると、J = 0 と、J = 1 の状態間のエネルギー差が大きいのは D2 の方である。
㋒ 一般に J = 0 の状態の分子は、マイクロ波の吸収による純回転遷移の選択則 ΔJ = ±2 に
従って、回転励起状態 J = 2 へ遷移する。

1. ㋐
2. ㋑
3. ㋒
4. ㋐ ㋑
5. ㋐ ㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
一般に、ある分子が純回転スペクトルを与えるためには,その分子は極性でなければなりません。よって、等核2原子分子は純回転スペクトルを示しません。

㋑ ですが
回転エネルギー準位間隔は 2B(J+1) です。B は回転定数と呼ばれ、慣性モーメントが大きいほど小さくなります。H よりも D の方が重いため、慣性モーメントは大きくなります。そのため、D2 の方が状態間のエネルギー差は小さくなると考えられます。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
選択則 ΔJ = ±1 です。また、光吸収による遷移は +1 です。よって、J = 1 に遷移すると考えられます。㋒ は誤りです。

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