国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問23解説

 問 題     

気体の平均自由行程λに関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。なお、平均自由行程とは、ある分子が他の分子と衝突してからさらに別の分子と衝突する間に飛行する平均の距離であり、気体は理想気体の状態方程式を満たすものとする。

㋐ 温度を一定に保ったまま、気体の圧力を高くしたとき、λ は大きくなる。
㋑ 同じ温度、同じ圧力の下では、気体分子の直径が大きいほど、λ は小さくなる。
㋒ 一定容積の容器に入った気体の温度を上げたとき、λ は大きくなる。

1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋒
3. ㋑
4. ㋑ ㋒
5. ㋒

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

理想気体の状態方程式は PV = nRT です。

㋐ですが
温度一定で圧力が高いということは、V が小さくなっています。ぎゅうぎゅうな空間では、分子に衝突しやすくなり、平均自由行程は小さくなると考えられます。よって、㋐ は誤りです。

㋑ は妥当な記述です。全く同じ条件で、ある部屋で同じ人数の人を目隠しで歩かせたとします。人が太っている方が、あっという間にぶつかるとイメージできるのではないでしょうか。

㋒ ですが
V 一定で T 上げれば、P は大きくなります。圧力が大きくなっているということは、壁によくぶつかるようになっているということなので、分子にもすぐぶつかると連想できるのではないでしょうか。λ は小さくなると考えられます。

以上より、妥当なものは㋑です。正解は 3 です。

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