国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問22解説

 問 題     

アルミニウムの化合物に関する次の記述の㋐ ㋑ ㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「アルミニウムはケイ酸塩や酸化物として広く天然中に存在している。㋐ は酸化アルミニウム中に微量のクロムイオンが置換固溶したものであり、宝石として用いられる。氷晶石は組成式
㋑ で表され、アルミニウム冶金の融剤として利用される。β – アルミナは、Na2O・nAl2O3
(n = 5 ~ 11) の組成で表される化合物であり㋒ として利用される。」

㋐ ㋑ ㋒
1. サファイア LiAlF4 固体電解質
2. サファイア Na3AlF6 透明導電体
3. サファイア Na3AlF6 固体電解質
4. ルビー LiAlF4 透明導電体
5. ルビー Na3AlF6 固体電解質

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

ルビーとサファイアは共に酸化アルミニウムの結晶です。ルビーは不純物(元素)としてクロムを含むことにより赤い色に見えます。サファイアは酸化鉄と酸化チタンを含むことにより青い色に見えます。㋐ はルビーです。正解は 4 or 5 です。

㋑ ですが
氷晶石の組成式は Na3AlF6 です。アルミニウムの工業的製法において、融解塩電解を行う時に利用されるという話で馴染みがあるのではないでしょうか。ちなみに LiAlF4 は、水素化アルミニウムリチウムです。ヒドリド還元でよく用いられる試薬です。

以上より、正解は 5 です。

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