国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問17解説

 問 題     

大気圧下において、物質 A は、融点及び融点における融解熱がそれぞれ 250K 及び 2.5kJ・mol-1 であり、沸点及び沸点における蒸発熱がそれぞれ 350 K 及び 30 kJ・mol-1 である。また、物質 A が液体のとき、すなわち 250K から 350K の温度範囲において、定圧モル比熱は 0.13kJ・K-1 mol-1 で一定と考えてよいものとする。

大気圧下、250K で全て固体になっている 1mol の物質 A を加熱し、全て 350K の気体にした。このとき融解に伴うエントロピー変化を ΔS1、液体の温度上昇に伴うエントロピー変化をΔS2、気化に伴うエントロピー変化を ΔS3 とするとき、それらの大小関係を表したものとして最も妥当なのはどれか。ただしlog e 250= 5.521、log e 350= 5.858とする。

1. ΔS1 <  ΔS2 <  ΔS3
2. ΔS1 <  ΔS3 <  ΔS2
3. ΔS2 <  ΔS1 <  ΔS3
4. ΔS2 <  ΔS3 <  ΔS1
5. ΔS3 <  ΔS1 <  ΔS2

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

等温において ΔS = Δq/T です。
定圧において ΔS = Cp lnT2/T1 です。Cp が、定圧モル比熱です。

本問における物質 A の状態変化と、過程における熱量をまとめると、以下のようになります。(S)、(L)、(G)はそれぞれ固体、液体、気体です。

ΔS1 は、2.5kJ/250
ΔS2 は、0.13 × ln(350/250) = 0.13 × (5.858 – 5.521) 
ΔS3 は、30/350 です。

それぞれ計算して比較すると
ΔS1 <  ΔS2<  ΔS3 です。

以上より、正解は 1 です。

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