国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問4解説

 問 題     

血清試料中のカリウム濃度をフレーム発光分析法によって分析する。二つの容器に血清試料をそれぞれ 1.00mL 量り取り一方のみに 1.20× 10-2 mol・L-1 の KCl 溶液を 0.200 mL 添加し水を加えて両者とも全体を 10.0 mL にした。

これらをそれぞれフレーム発光分析器にかけ,カリウムの発光スペクトルを測定したところ発光信号は任意の単位で KCl 溶液を添加したものが 95.7 添加していないものが 32.1 であった。血清試料中のカリウム濃度はいくらか。ただし測定を行っている濃度領域における検量線の比例関係は確認されているものとする。

1. 1.21 × 10-4 mol・L-1
2. 3.03 × 10-4 mol・L-1
3. 6.06 × 10-4 mol・L-1
4. 1.21 × 10-3 mol・L-1
5. 6.06 × 10-3 mol・L-1

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

血清試料のみを 1.00 mL 量り取り、水を加えて 10.0ml にすると、発光信号が 32.1、KCl 溶液も加えると、発光信号が 95.7 ということです。従って、加えた KCl 溶液における K が、発光信号の差である 63.6 を表しています。

1.20 × 10-2 mol/L の 溶液を 0.200ml 添加したのだから、加えた KCl 溶液に入っていた K は 1.20 × 10-2 × 0.2 × 10-3 = 2.4 × 10-6 mol です。

そして、発光信号 63.6 と 32.1 は、大体比が 2:1です。従って、元々の血清 1.00mL に入っていた K は、2.4 × 10-6 × 1/2 = 1.2 × 10-6 mol です。それが 1mL 中の物質量なので、濃度は 1.2 × 10-3 mol/L とわかります。

以上より、正解は 4 です。

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