国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問95解説

 問 題     

遺伝に関する次の記述の㋐ ㋑に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「ウシの毛色に関わる一つの対立遺伝子において、黒毛となる遺伝子 B と、赤毛となる遺伝子 b
があり、B は b に対して優性である。同じ大きさの2集団 X、Y において集団 X では赤毛が
4%、集団 Y では16%存在し、毛色の遺伝子に関して任意交配をしているとする。

この二つの集団が合流して、任意交配をする一つの集団になった場合、この混成集団における遺伝子 b の割合は約 ㋐ であり、黒毛の個体中におけるヘテロ接合体の割合は約 ㋑ である。なお、各集団はハーディー・ワインベルグの法則を満たす理想集団であるとする。」

㋐ ㋑
1. 10% 18%
2. 10% 42%
3. 10% 46%
4. 30% 42%
5. 30% 46%

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

集団 X において、赤毛 bb が 4% なので、b が 20% (∵0.2 × 0.2 = 0.04 なので)と考えられます。従って、遺伝子 B が 80%、b が 20% です。同様に、集団 Y において、赤毛 bb が 16% なので、b が 40% と考えられます。従って、遺伝子 B が 60%、b が 40 % です。

大きさが同じなので、共に 100 頭と仮定します。 混成集団とした時、b の割合は 20% と 40% の平均である 30 % になると考えられます。㋐ は 30% です。

すると、遺伝子 B が 70%、b が 30% の集団となったと考えられるため、赤毛の割合は 0.09 です。従って、黒毛の個体の割合は 0.91 です。そのうちヘテロの割合は 0.7 × 0.3 × 2 = 0.42 です。従って、求める割合は 0.42/0.91 ≒ 0.46 です。㋑ は 46% です。

以上より、正解は 5 です。 

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