国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問91解説

 問 題     

膜輸送に関する記述 ㋐ ~ ㋓ の正誤の組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ 膜輸送タンパク質は複数の膜貫通領域をもつタンパク質で、その膜貫通領域は α へリック
ス構造をとるものに限られる。
㋑ 輸送体による輸送には能動輸送と受動輸送があるが、チャネルによる輸送は受動輸送に限ら
れる。
㋒ イオンチャネルの中には Na+ 、K+ 、Ca2+ をそれぞれ選択的に透過するチャネルや、それら全てのイオンを透過するチャネルがある。
㋓ イオンポンプによる輸送はエネルギーを消費し、その輸送速度はイオンチャネルに比べて速
い。

㋐ ㋑ ㋒ ㋓
1. 正 正 誤 正
2. 正 誤 正 誤
3. 誤 正 正 誤
4. 誤 誤 正 正
5. 誤 誤 誤 正

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
膜輸送タンパク質には、βーバレル構造による巨大なポアを有する、ポリンと呼ばれるタンパク質も知られています。膜貫通領域が、αーヘリックスに限られるわけではありません。よって、㋐ は誤りです。

㋑、㋒ は、正しい記述です。

㋓ ですが
ポンプによる輸送は、一般的に構造変化を伴い、速度はチャネルに比べて遅いものとされています。よって、㋓ は誤りです。

以上より、誤、正、正、誤です。正解は 3 です。

コメント