国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問90解説

 問 題     

細胞接着や細胞結合に重要な膜タンパク質に関する記述 ㋐ ~ ㋓ の正誤の組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ セレクチンは糖タンパク質と結合することで細胞膜どうしを密着させ、細胞間隙を塞いでいる。
㋑ 免疫グロブリンスーパーファミリーは Ca2+ 非依存的に細胞間接着を媒介している。
㋒ インテグリンはホモ二量体で細胞外マトリックスと結合し、上皮細胞を基底膜に結びつけている。
㋓ コネキシンはチャネルを形成し、隣り合う細胞間で小さなシグナル伝達分子の移動を可能にしている。

㋐ ㋑ ㋒ ㋓
1. 正 正 正 誤
2. 正 誤 誤 正
3. 誤 正 正 誤
4. 誤 正 誤 正
5. 誤 誤 正 正

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
セレクチンは、レクチンの一種です。レクチンとは、糖鎖結合能を有するタンパク質の総称です。セレクチンは、白血球と血管内皮細胞の接着に関与します。「細胞間隙を塞ぐ」わけではありません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当な記述です。

㋒ ですが
インテグリンは、α 鎖と β 鎖からなるヘテロダイマーです。ホモ二量体ではありません。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当な記述です。

以上より、誤、正、誤、正です。正解は 4 です。

参考)生化学まとめ 細胞間の接着構造、主な細胞接着分子

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