国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問83解説

 問 題     

動物の受精前後の現象に関する記述 ㋐ ~ ㋔ の正誤の組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ 両生類では、卵形成のための減数分裂は、受精前に第二減数分裂の途中で停止しており、受精した後に完了する。
㋑ 線虫では、第一卵割で大きな AB 細胞と小さな P1 細胞に分裂して前後軸が形成され、AB
 細胞が前方となる。
㋒ ショウジョウバエでは、受精後、まず細胞質を共有したまま核の分裂が起きる。
㋓ ウニでは、受精後最初の3回の卵割はほぼ対称な分裂を示し、8細胞期胚の全ての割球はそ
れぞれが正常のプルテウス幼生となる能力をもつ。
㋔ 哺乳類では、8細胞期で細胞が互いに接触する領域を拡大するコンパクションを起こし、そ
の直後に透明帯からハッチングする。

㋐ ㋑ ㋒ ㋓ ㋔
1. 正 正 正 誤 誤
2. 正 正 誤 正 正
3. 正 誤 正 誤 正
4. 誤 正 誤 正 誤
5. 誤 誤 正 正 正

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ ~ ㋒ は妥当な記述です。

㋓ ですが
ウニ は、「4細胞期まで」は、小さいながらも各割球がほぼ完全なプルテウス幼生となることが知られています。8細胞期胚では、正常のプルテウス幼生となりません。よって、㋓ は誤りです。

㋔ ですが
8 ~ 16 細胞期でコンパクションが起きます。ハッチングとは、受精卵が透明帯から脱出することです。胚盤胞期付近の話です。従って、コンパクションの直後の話ではありません。よって、㋔ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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