国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問67解説

 問 題     

肥料に関する記述 ㋐ ~ ㋔ のうちから妥当なもののみを全て選び出しているのはどれか。

㋐ 肥料の成分表示に用いられる「く溶性」とは、当該成分が10%クエン酸液に溶けることを意味する。
㋑ 石灰質肥料の主原料の CaCO3、CaO、Ca(OH)2、CaSiO2 の中で、土壌の酸性を中和するのに必要な資材量が最も少ないのは CaO である。
㋒ 石灰窒素と尿素の窒素含量を比較すると、石灰窒素の方が高い。
㋓ 水稲の目標収量 500kg/10a、単位収量(100kg)当たりの窒素吸収量 2kg、土壌からの窒素供給量 4kg/10a、肥料窒素の利用効率 60% とすると,施用する肥料の窒素量は 10kg/10a と推定される。
㋔ 図は我が国の硫酸アンモニア、複合肥料、油かす類の生産量の推移を表したものであるが、A は硫酸アンモニアである。

1. ㋐ ㋓
2. ㋐ ㋔
3. ㋑ ㋒
4. ㋑ ㋓
5. ㋒ ㋔

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
「く溶性」とは、2% クエン酸溶液に可溶という意味です。「10%」ではありません。よって、㋐ は誤りです。

㋑ は妥当な記述です。

㋒ ですが
石灰窒素の主成分が CaCN2 です。分子量で考えると 大体 28/63 です。一方、尿素が CH4N2O なので28/60 です。尿素の方が多いと考えられます。よって、㋒ は誤りです。

㋓ は妥当な記述です。
100kg あたり 2kg の窒素吸収なので、目標が 500kg なら、窒素が 10kg 必要です。土壌から 10a あたり 4kg 供給される、ということなので、残りの 6kg を肥料として施用すればよいと読み取れます。利用効率が 60% なので、10a に対して肥料を 10kg まけばよいと推定されます。

㋔ ですが
生産量がずっと高い A は複合肥料と考えられます。よって、㋔ は誤りです。

以上より、妥当なものは㋑、㋓です。正解は 4 です。

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