国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問58解説

 問 題     

日本における死因別死亡率に関する記述 ㋐ ㋑ ㋒ の正誤の組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ 粗死亡率の年齢調整死亡率に対する比率は、死因別にみると高齢での死亡率が高い死因ほど
高くなる。
㋑ 日本の自殺率(10万人当たりの自殺者数)は、OECD 平均より高く、自殺は 20 歳~ 30 歳代
の死因の第一位(平成23年人口動態統計)である。
㋒ 第二次世界大戦後から現在に至るまで、結核や肺炎による死亡率は、衛生環境の改善及び抗
生物質やワクチン等の医薬品開発によって減少し続けている。

㋐ ㋑ ㋒
1. 正 正 正
2. 正 正 誤
3. 正 誤 正
4. 誤 正 誤
5. 誤 誤 正

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐、㋑ は妥当な記述です。

粗死亡率とは、1年間の死亡数を、その年の人口で割った値です。通常、人口 1000 に対する数値で表します。

年齢調整死亡率とは、年齢構成を、調整した死亡率です。調整する理由は、高齢者率の多い地域 = 死亡率が、相対的に高く出る地域と、高齢者率の低い地域 = 死亡率が、相対的に低く出る地域の間において死亡率の比較を行うためです。つまり、老年人口が多い地域においては、調整の行われていない死亡率である粗死亡率は、調整後の年齢調整死亡率よりも、一般に高くなります。

㋒ ですが
結核は再興感染症の代表例です。従って、近年再び増加してきています。「減少し続けている」わけではありません。よって、㋒は誤りです。

以上より、正、正、誤です。正解は 2 です。

参考 衛生薬学 2-1 4)3-3 2)
類題 97-17

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