国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問45解説

 問 題     

複素環に関する記述 ㋐ ~ ㋓ の正誤の組合せとして最も妥当なのはどれか。
㋐ ピロールはピロリジンよりも酸性度が大きい。


㋑ インドールはベンゼンと比べると求電子置換反応の反応性が高く、主に5位で反応が進行す
る。


㋒ 以下の3種類のモノクロロピリジンの求核置換反応では、3-クロロピリジンの反応性が最も
高い。


㋓ イミダゾールのニトロ化は、主に2位で反応が進行する。

㋐ ㋑ ㋒ ㋓
1. 正 誤 正 誤
2. 正 誤 誤 誤
3. 誤 正 正 誤
4. 誤 正 誤 正
5. 誤 誤 正 正

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当です。
酸性度の比較なので、 H が抜けた共役塩基構造の安定性を考えます。ピロールでは、水素が抜けた後、負電荷が非局在化する共鳴構造が考えられるため、ピロールの方が共役塩基が安定と判断できます。従って、ピロールの酸性度の方が高いです。これで選択肢より、㋑、㋓ は誤りです。

ちなみに、㋑ ですが
インドールでは求電子置換反応(E+ により、H が置き換わる)の反応性が高く、主に「3位」で反応が進行します。

㋓ ですが
ニトロ化により、主に「4 位」で反応が進行します。2 位ではありません。

㋒ ですが
ピリジン は、2,4 位が求核反応を受けやすいです。従って、3 – クロロピリジンの反応性が最も高いというのは誤りと考えられます。

以上より、正、誤、誤、誤です。正解は 2 です。

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