国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問35解説

 問 題     

エチレンは様々な有機化合物の原料として用いられている。㋐ ~ ㋓ はエチレンの誘導体の合成法であり、それぞれの合成法に用いられている触媒には、それを構成する特徴的な元素がある。㋐ ~ ㋓ の合成法とその元素の組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ ㋑ ㋒ ㋓
1. Cu Ti Ag Pd
2. Cu Pd Ag Ti
3. Ag Ti Cu Pd
4. Ag Pd Cu Ti
5. Ag Ti Pd Cu

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

塩化ビニルの工業的製法は、アセチレン+塩化水素などの製法を経て、現在はエチレンのオキシ塩素化プロセスに、試験時点において収斂したといえます。主成分が「銅」である触媒が用いられます。㋐ は Cu です。

ワッカー酸化は、アルケン→カルボニルへの変換反応です。触媒に用いられる Pd が特徴的元素です。㋑ は Pd です。

かつてはクロロヒドリン法を用いていたのですが、担持「銀」触媒を用いて、理論上副生成物のない反応を実現しています。㋒ は Ag です。

ポリエチレンは、圧力、触媒などの条件から、高密度、高圧法低密度、直鎖状低密度ポリエチレンに分類されます。中・低圧下における合成では、チーグラー触媒(チタン系)又はフィリップス触媒(クロム系)などが用いられます。㋓ は Ti です。

以上より、正解は 2 です。

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