国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問27解説

 問 題     

表面張力に関する記述 ㋐、㋑、㋒ の正誤の組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし,示されたもの以外の条件は変化しないものとする。

㋐ 毛管上昇の高さは、上昇する液体の密度及び毛管の内径のいずれにも反比例する。
㋑ 水の表面張力は、温度の上昇に伴い増加する。
㋒ 小さな液滴の蒸気圧は、液滴の半径の増大に伴い上昇する。

㋐ ㋑ ㋒
1. 正 正 誤
2. 正 誤 正
3. 正 誤 誤
4. 誤 正 正
5. 誤 誤 正

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

記述 ㋐ は妥当な記述です。
液体の密度が大きければ、上昇する高さは低くなります。これは水の場合と、水銀の場合を考えるとよいと思われます。また、細い毛管の方が液体は上昇する、というイメージはわきやすいのではないでしょうか。これはいいかえると「内径が大きくなるほど上昇の高さは低くなる」です。つまり反比例といえます。

記述 ㋑ ですが
一般に表面張力は、物体の温度が上がると「小さく」なります。 熱運動が激しくなることで、じたばた動いてしまいうまい面が作りにくくなるから、というイメージです。よって、記述㋑は誤りです。

記述 ㋒ ですが
「小さい液滴の蒸気圧」は、水面の蒸気圧と異なり、表面張力の影響が大きくなります。表面張力も考慮すると、液滴内部の圧力が高く、釣り合う水蒸気圧もより高くなります。つまり「(小さい液滴の蒸気圧に関して)表面張力が高いほど、水蒸気圧も高い」と考えられます。そして、液滴の半径と表面張力の大きさは反比例します。従って、半径増大に伴い蒸気圧は小さくなると考えられます。よって、記述㋒は誤りです。

以上より、正、誤、誤です。正解は 3 です。

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