発生過程

動物において、受精卵ができ、食物をとりはじめるまでの幼体を胚と呼びます。1個の細胞から、多細胞の複雑な構造を形成する不可逆な過程を「発生」といいます。

胚のどの部分が腕や足になるのか、といった運命は発生の途中で決まっていきます。前もってきまっているわけではありません。ドイツのフォークトさんが、イモリの胚を用いて、無害な色素による局所生体染色法により『胚のここが将来神経、ここが将来の消化管・・・』といった予定運命図を作ったのが有名な実験です。

ヒトでは、受精した直前の最終月経における生理初日が0週0日、1日目です。次の生理開始予定日が4週0日と計算します。0~4週目においては、薬の影響に関して全か無かです。すなわち、薬剤の影響を受けたとしても、全く生まれてこないか、正常に生まれてくるかの二者択一となります。

4~7週目が器官発生期にあたり、絶対過敏期と呼ばれます。神経・心臓などの重要な器官形成の時期なので、奇形をおこすかどうか最も重要な時期です。以降は相対過敏期などと呼ばれます。影響がないわけではありません。

※妊娠・出産には、そもそも自然奇形、流産などの確率が、一定程度あります。薬による影響は、相対的にそこまで大きくない点、必要な薬はしっかりと妊娠・授乳中にも服用を継続することが重要である点に強く留意が必要です!

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