性染色体と伴性遺伝

性決定に関与する染色体を性染色体といいます。性染色体以外を常染色体といい、区別します。

細胞分裂の際、DNA がぎゅっと集まってできるのが染色体です。この染色体はヒトであれば、計 46 本見られます。 2 本で 1 セットです。(父由来と 母由来のセットです。)このうち、性決定に関わるのは 2 本です。この 2 本を性染色体と呼び、特にヒトなどは 雄を XY、雌を XX と呼びます。

X,Yという文字を使う場合「雄ヘテロ型」、つまり雄の方が染色体が異なる2つのセットであることを意味します。※雌ヘテロの場合は「Z,W」を用いるというのがルールです。

伴性遺伝とは、性染色体に依存する遺伝形式のことです。より具体的には、性別により遺伝しやすい、遺伝しにくいといった特徴が見られる遺伝形式であり、X もしくは Z 染色体上にのみ何か遺伝子を有する場合に見られる現象です。

X 性染色体上に、ある病気の遺伝子があり、それを上付きの小文字で A,a と表してみます。A が優性遺伝子です。こちらがあれば問題なし、a しかなければ 病気が発症するとします。

父が XAY、母が XaXa で、母が病気を発症しているとしましょう。父の配偶子には XA or Y が含まれます。母の配偶子には Xa が含まれます。

【生まれた子が 男の子】
 男の子なので XY 染色体です。Y 染色体は父由来なので、X 染色体は 母由来となります。つまり、XaY を有する男の子です。発症します。

【生まれた子が 女の子】
女の子なので XX 染色体です。XAXa を有する女の子です。発症しません。

この例のように、性別により遺伝しやすい、しにくいといった特徴が見られる遺伝形式が伴性遺伝です。

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