オームの法則

エネルギーの変換で触れたように、利用を考えると電気エネルギーが便利です。電気に関する物理量として、まずは電荷があげられます。電荷とは、物体が帯びている電気量のことです。全ての電荷は電子の電荷の整数倍です。電子の電荷の大きさを電荷素量といいます。e ≒ 1.60 × 10-19 です。 2 つの電荷が存在すると、その間には力が働きます。クーロン力、静電気力と呼ばれます。それぞれの電荷を Q1,Q2、距離を r とすると F = kQ1Q2/r2 と表されます。クーロンの法則と呼ばれます。

物体には電気を通しやすい物質である導体と、電気を通しにくい物質である絶縁体があります。導体中の2点に電池の正極負極をつなぐと、2点間に電場が生じます。導体中には自由に動ける電荷が存在するため、電場が生じると電荷が力を受けて動きます。電荷の移動により電気の流れ、すなわち電流が生じます。電流 は I で表されます。単位は A です。I = Q/t で定義されます。すなわち、単位時間あたりに通過する電荷の量が電流です。

電圧を V 、抵抗を R とすると、I = V/R が成立します。これをオームの法則と呼びます。電圧とは電位の差です。電位は静電気力によるポテンシャルエネルギーといえます。先程の例でいえば、電池の正極負極をつなぎ、電場が生じることで、A 点と B 点ではポテンシャルエネルギーが異なり、その差を電圧と呼びます。抵抗は、電流の流れにくさを表します。特に長さ L、断面積 S の導体について、長いほど電流は流れにくく、断面積が大きいほど電流は流れやすいです。R = ρL/S という関係が成り立ちます。ρ は電気抵抗率で、物質固有の値を有し、温度により変わる値です。

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