核反応、放射平衡

核反応とは、入射粒子が原子核と衝突することで起こる反応のことです。原子核反応とも呼ばれます。

原子核反応は、下の例のように記述されます。
例)酸素(質量数18)の原子核に、陽子を照射し、フッ素(質量数18)の原子核が生成し同時に1個中性子が放出される反応は、以下のように記述します。
18O(p,n)18F 
(p は、陽子を当てたという意味です。n は、中性子が出たという意味です。)

一般に『A(in,out)B』という形式で記述されます。Aが元々ある原子、inが照射された粒子、outが放出された粒子、Bが結果として生成される粒子です。

A → B → C と逐次崩壊していく場合、ある程度の時間が経過すると、B と C の放射能の量的な関係がほぼ一定の比率で推移します。この状態を放射平衡と呼びます。放射平衡における特別な場合として、過渡平衡と永続平衡と呼ばれる平衡が知られています。

A → B → C と逐次崩壊していく場合において、C の放射能量が B の放射能量を上回る時を、過渡平衡と呼びます。A を親核種、B を娘核種とした時に、親と娘の半減期がそれほど離れていない時に、過渡平衡となります。

A → B → C と逐次崩壊していく場合において、C と B の放射能量がほぼ同じ時を、永続平衡と呼びます。Aを親核種、Bを娘核種とした時に、親の半減期が圧倒的に娘核種よりも長い時に、永続平衡となります。

過渡平衡と永続平衡のイメージ

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