問 題
中枢神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ドネペジルは、中枢のアセチルコリンエステラーゼを阻害し、低下したコリン作動性神経伝達を促進する。
- セレギリンは、脊髄多シナプス反射を抑制し、痙性麻痺における過剰な筋緊張を緩和する。
- 炭酸リチウムは、縫線核のセロトニン作動性神経活動を選択的に抑制し、抗躁作用を示す。
- エダラボンは、脳虚血障害により発生したフリーラジカルを消去し、神経細胞の酸化的障害を抑制する。
- チザニジンは、脊髄のニコチン性アセチルコリン受容体の機能を抑制し、腰痛症の筋緊張を緩和する。
正解.1, 4
解 説
ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬です。コリン作動性神経伝達を促進し、アルツハイマー病の進行抑制に用いられます。
セレギリンは、MAOB(monoamine oxidases B)阻害薬です。MAO はドパミンの分解酵素です。MAO を阻害することで間接的にドパミンの量を増加させ、抗パーキンソン病作用を示します。よって、選択肢 2 は誤りです。
炭酸リチウムは、抗躁薬です。PI(ホフファチジルイノシトール)代謝回転の抑制を通じて抗躁作用を示します。よって、選択肢 3 は誤りです。
エダラボンは、脳保護剤です。フリーラジカル除去により、酸化的障害を抑制します。
チザニジンは、中枢性筋弛緩薬です。中枢性 α2 受容体刺激作用を示します。よって、アセチルコリン受容体の機能を抑制するわけではなく、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
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