薬剤師国家試験 第97回 問157 過去問解説

 問 題     

不整脈治療薬の作用機序について正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. ニフェカラントは、心筋のNaチャネルを選択的に遮断するが、不応期に影響を与えない。
  2. ベラパミルは、房室結節のKチャネルを選択的に遮断し、房室伝導速度を低下させる。
  3. キニジンは、心筋のNaチャネルとKチャネルを遮断し、活動電位持続時間を短縮する。
  4. ソタロールは、心筋のKチャネル遮断作用とβ受容体遮断作用を示す。
  5. ベプリジルは、心筋のβ受容体遮断作用とCa2チャネル遮断作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

ニフェカラントは、クラス III 抗不整脈薬です。K+ チャネルを遮断します。よって、Na+ チャネル遮断ではないため、選択肢 1 は誤りです。

ベラパミルは、クラス IV 抗不整脈薬です。Ca2+ チャネルを遮断します。よって、K+ チャネルではないので、選択肢 2 は誤りです。

キニジンは、クラス Ia 抗不整脈薬です。Na+ を遮断し、活動電位時間を延長させます。よって、活動電磁持続時間を短縮はさせないので、選択肢 3 は誤りです。

ソタロールは、クラス III 抗不整脈薬です。K+ チャネル遮断作用を示します。又、β受容体遮断作用も示します。

ベプリジルは、クラス IV 抗不整脈薬です。又、非特異的に様々なチャネル遮断作用も示します。しかし、β遮断作用は示しません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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