薬剤師国家試験 第103回 問2 過去問解説

 問 題     

化合物の親水性や疎水性を表す指標となる分配係数の測定において、水と組み合わせて用いられる有機溶媒はどれか。1つ選べ。

  1. アセトニトリル
  2. アセトン
  3. 1-オクタノール
  4. グリセロール
  5. メタノール

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

互いに混ざらない水と有機溶媒に化学物質を加えて振り混ぜると、水層と有機層に、ある割合ずつ存在して平衡に達します。この比率を分配係数と呼びます。値が高い方が、より脂溶性が高いと考えればよいです。

水と組み合わせて用いるのは、1-オクタノールです。知識として知っていればそれでいいのですがもし忘れてしまっていても、アセトニトリル、メタノール、グリセリン、アセトンは水に溶けてしまう点から消去法で選ぶとよい問題と考えられます。

これらが水に溶けるか は実際に扱ったことがあればよいのですが、経験がない場合は以下のように考えるとよいと思います。まず、本問の5つの物質の構造式は書ける必要があります。官能基はそれぞれ C≡N、C=O、OH、OH×3、OH とどれも極性を持ちこれといった決め手にはなりません。

その上で、1-オクタノール と、他の4つの構造を比較すると 炭素鎖が1つだけ長い という点が目立ちます。そこで、1-オクタノールが一番正解らしいと(むしろ仲間はずれっぽい と言った印象かもしれません。)判断できるのではないかと思います。

以上より、正解は 3 です。
類題 97-13799-136
参考 分析化学まとめ 分配平衡

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