問 題
ジゴキシンの強心作用の機序はどれか。1つ選べ。
- アドレナリンβ1受容体刺激
- Na+– K+– 2Cl-共輸送系阻害
- Na+,K+– ATPase阻害
- ホスホジエステラーゼⅢ阻害
- アデニル酸シクラーゼ活性化
正解.3
解 説
ジゴキシンは、強心配糖体です。Na+、K+-ATPase を阻害することにより、心筋収縮力増強作用を持つ心不全薬です。
ちなみに、β1 刺激薬は、ドブタミン、デノパミンなどです。β1 受容体を刺激することにより、Gs タンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化されます。それにより、細胞内 cAMP が増加することにより、心筋収縮力が増強されます。
Na+-K+-2Clー 共輸送系阻害薬は、ループ利尿薬で、フロセミドなどです。降圧薬として用いられます。
ホスホジエステラーゼ III 阻害薬は、ミルリノンなどです。心筋と血管平滑筋のホスホジエステラーゼ III という、cAMP 分解酵素を選択的に阻害することで、細胞内 cAMP を増加させることで、強心薬として作用します。
アデニル酸シクラーゼ(AC)活性化は、コルホルシンダロパートです。ACとは、cAMPを合成する酵素です。AC 活性化により、細胞内 cAMP を増加させることで、心筋収縮力が増強されます。
以上より、正解は 3 です。
類題 106-159
参考 薬理学まとめ 代表的な心不全治療薬
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