薬剤師国家試験 第99回 問136 過去問解説

 問 題     

以下の文中の[ ア ]及び[ イ ]に入れる適切な記号、式の組合せのうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

一定量の化学物質A又はBを溶解した1-オクタノールに等量の水を加え、十分に混合した。二相に分離したのち各相中の濃度を測定した。Aについては1-オクタノール中の濃度がほとんど変化しなかったのに対し、Bについては1/1,000に減少した。

この結果から高濃縮性が予想される[ ア ]の濃度が一定となるよう設定した水槽中で、魚類を一定期間飼育したところ、この化学物質についての濃縮係数([ イ ])の値は5,000となり、[ ア ]は生物濃縮を受けやすい化学物質であることが確かめられた。

  • ア   イ
  1. A  飼育終了時の魚の体内の濃度/飼育終了時の水槽水中の濃度
  2. A  飼育終了時の魚の体内の濃度/飼育開始時の魚の体内の濃度
  3. A  飼育終了時の水槽水中の濃度/飼育終了時の魚の体内の濃度
  4. B  飼育終了時の魚の体内の濃度/飼育終了時の水槽水中の濃度
  5. B  飼育終了時の魚の体内の濃度/飼育開始時の魚の体内の濃度
  6. B  飼育終了時の水槽水中の濃度/飼育終了時の魚の体内の濃度

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

高濃縮性とは、脂溶性が高いとみなすことができます。脂溶性の物質であれば、1-オクタノールによく溶けます。B は、ほとんどが水層に分布しており脂溶性は低いと考えられます。よって、ア は、A です。

次に、濃縮係数とは、生物体内の濃度を a、環境(海水等)中の濃度を b とおいた時の a/b の事です。つまり、魚(中の濃度)/水(中の濃度)なので、正解は 1 です。

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