問 題
構造式AとBで示されるタンニンに関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 化合物A及びBは、塩化鉄(Ⅲ)試液で呈色する。
- 化合物Aは、シキミ酸と酢酸-マロン酸の複合経路で生合成される。
- 化合物Aに含まれる糖は、D-マンノースである。
- 化合物Bは、加水分解型タンニンである。
- 化合物Bは、1-ブタノール中で塩酸と加熱すると赤色を呈する。
正解.1, 5
解 説
選択肢 1 は正しい選択肢です。
フェノール性 OH が存在すると、塩化鉄(Ⅲ)試液で呈色されます。化合物 A 、及び B にはそれぞれフェノール性 OH が見られます。
選択肢 2 ですが
シキミ酸経路で合成されると、C6-C3 単位のフェニルプロパン構造が見られます。化合物A には、C6-C3 単位が見受けられません。又、酢酸-マロン酸経路で合成されると、C=Oが多く見られる、ポリケタイド構造が見られます。化合物 A には、C=O が複数見られる ということはありません。従って、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
化合物 A の真ん中当たりの糖部分において O の上下に注目するときれいに交互になっています。マンノースは、グルコースの 2 位のエピマーです。2位と3位が共に上向きとなるためきれいに交互にはなりません。従って、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
加水分解型タンニンには、エステル結合部分((C=O)-O部分)があります。化合物 B には、エステル結合部分が見られません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は
正しい選択肢です。アントシアニジンと呼ばれる色素が生成されることにより呈色されます。
以上より、正解は 1,5 です。
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