薬剤師国家試験 第100回 問91 過去問解説

 問 題     

分子間相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 酸素原子の電気陰性度は硫黄原子より大きいため、分子間に働く水素結合はH2Oの方がH2Sよりも強い。
  2. 静電的相互作用によるポテンシャルエネルギーは、距離の2乗に反比例する。
  3. 分散力は、ロンドン力とも呼ばれ、そのポテンシャルエネルギーは距離の4乗に反比例する。
  4. ファンデルワールス相互作用は、分子間の距離により引力として働く場合と斥力として働く場合がある。
  5. 疎水性相互作用はファンデルワールス相互作用により説明される。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は、正しい選択肢です。

選択肢 2 ですが
静電的相互作用(クーロン相互作用)によるポテンシャルエネルギーは、距離に反比例します。距離の 2 乗に反比例するわけでは、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ロンドン力によるポテンシャルエネルギーは、距離の 6 乗に反比例します。距離の 4 乗に反比例するわけでは、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい選択肢です。

選択肢 5 ですが
疎水性相互作用は、周囲の水の水素結合ネットワークへの影響を小さくするようにしている、と説明されます。ファンデルワールス相互作用で説明されるわけではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。

参考)物理化学まとめ 分子間相互作用

コメント