問 題
アトピー性皮膚炎の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 皮膚のバリア機能が低下している。
- 皮膚の苔癬化は、成人期よりも乳児期に顕著にみられる。
- 血液検査では、血清総 IgE 値の上昇が認められる。
- 治療の基本は、抗ヒスタミン外用剤による炎症の抑制である。
- タクロリムス軟膏は、潰瘍やびらんを形成した皮膚部位に適用される。
正解.1, 3
解 説
選択肢 1 は妥当です。
非免疫学的要因として、皮膚バリアー機能の低下があります。(98-188 アトピー性皮膚炎及びその治療)。
選択肢 2 ですが
乳幼児期はじゅくじゅくした湿疹が、12 歳以降は慢性化した乾燥性の湿疹となることが多いです。苔癬(たいせん)化とは、皮膚が厚く、硬くなることです。成人期の特徴と考えられます。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
アトピー性皮膚炎は、Ⅰ型アレルギーの1つです。I 型アレルギーは「IgE」 が関与します。
選択肢 4 ですが
治療の基本は、「ステロイド外用剤による」炎症の抑制です。「抗ヒスタミン」ではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
タクロリムスは、免疫抑制剤です。潰瘍やびらん形成部位は、むき出しの領域であり、吸収量が大きいため使用しません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,3 です。
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