問 題
プロトロンビン時間が延長する疾患はどれか。1 つ選べ。
- 鉄欠乏性貧血
- 抗リン脂質抗体症候群
- 播種性血管内凝固症候群 (DIC)
- 血友病 A
- 腎性貧血
正解.3
解 説
プロトロンビン時間(PT)は、血液に Ca2+ と、組織トロンボプラスチンを添加し、フィブリンが析出するまでの時間を測定する検査です。イメージとしては、血を採って、試薬を加えて固まるまでの時間を測るという検査です。血液凝固系の異常を検査する方法です。基準値は、PT:10~14 秒です。
プロトロンビン時間が延長する → 血液「凝固系」の疾患 といいかえられます。そのため、貧血ではありません。○○貧血 は誤りと判断できると思われます。選択肢 1,5 は誤りです。
また、抗リン脂質抗体症候群は、種々の症状を伴う自己免疫性疾患です。血液凝固系に二次的な影響はありますが、「プロトロンビン時間が延長する疾患」とあらわされるのは不自然と判断できるのではないでしょうか。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 について
DIC では、凝固因子や血小板が枯渇するため、凝固障害がおきます。そのため、プロトロンビン時間が延長するのは妥当です。
一方、選択肢 4 について
血友病の場合、プロトロンビン時間は変わらず、活性化部分トロンボプラスチン時間 (APTT) が延長します。(参考 106-304305 問題文の検査値)
以上より、正解は 3 です。
参考 病態・薬物治療学まとめ 代表的な血液および血液凝固検査
参考 病態・薬物治療学まとめ 播種性血管内凝固症候群(DIC)の病態生理、治療薬、注意点
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