薬剤師国家試験 第108回 問33 過去問解説

 問 題     

血小板の ADP P2Y12 受容体の遮断により、血小板凝集抑制作用を示すのはどれか。1 つ選べ。

  1. シロスタゾール
  2. サルポグレラート
  3. チカグレロル
  4. オザグレル
  5. ベラプロスト

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

「血小板」、「ADP の P2Y12 受容体遮断」とくれば、まず思い出したいのがチクロピジンです。チクロピジンは、ADP の P2Y12 受容体を遮断することで、アデニル酸シクラーゼ活性を増強しサイクリックAMP(cAMP)を増加させます。その結果、血小板凝集を抑制させます。(101-36)。

チクロピジンが選択肢にないため、次に同じ抗血小板薬のカテゴリーにおける知識として、クロピドグレル → プラスグレル(エフィエント)、チカグレロル(ブリリンタ)という流れを思い出したいところです。(106-162)。選択肢より、チカグレロルが妥当です。

以上より、正解は 3 です。

ちなみに、選択肢 1 ですが
シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼ阻害により作用する抗血小板薬です。(102-37)。

選択肢 2 ですが
サルポグレラート(アンプラーグ)は、5 – HT2 遮断薬です。(104-36)。

選択肢 4 ですが
オザグレルは、トロンボキサン(TX:thromboxane)合成酵素阻害薬です。(104-38)。

選択肢 5 ですが
ベラプロストは、血管平滑筋細胞においてサイクリック AMP (cAMP) を増やすことで血管拡張作用を示す、プロスタグランジンI2 誘導体製剤です。(103-34)。

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