問 題
食品の加熱により、アミノ酸が関与する反応で生じる発がん物質はどれか。2つ選べ。
解 説
選択肢 2,4,5 の構造を判断し、その中から 2,4 を選択したい問題です。
選択肢 1 ですが
シンフィチンという化合物です。かつて健康野菜として流行した コンフリー(シンフィツム)というハーブの 健康被害要因とされる PAs(ピロリジジンアルカロイド)の一種です。食品の加熱により生じる発がん物質ではありません。
選択肢 2 は妥当です。
ヘテロサイクリックアミンの1つである Trp-P- 1 です。ヘテロサイクリックアミンの1つであり、発がん物質であることを判断したい構造です。代表的なヘテロサイクリックアミンとして、トリプトファン由来と、グルタミン酸(Glu)由来について以下まとめています。この機会に見慣れておきましょう。構造は KEGG より引用。
選択肢 3 ですが
プタキロシドの構造です。プタキロシドは、ワラビに含まれる植物性自然毒の一種です。腸、膀胱がんを単独で引き起こす可能性のある発がん性物質の一種です。アルカリ条件下で毒性をもつ化合物へと変化しますが、あらかじめ重曹を含む熱湯で十分なあく抜きを行えば、通常の摂取量では問題となりません。加熱により、アミノ酸が関与する反応で生じる発がん物質ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
代表的な生成原因として、ポテトチップス製造工程の加熱時に、ジャガイモに多く含まれるアスパラギンが糖と反応してアクリルアミドが生じるというものがあります。(106-129 選択肢 1)。
選択肢 5 ですが
ヒスタミンの構造です。加熱により、アミノ酸が関与する反応で生じる発がん物質ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
類題 106-129
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