薬剤師国家試験 第106回 問129 過去問解説

 問 題     

食品に含まれる有害物質A~Eに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. Aは、魚肉や魚卵に含まれるジメチルアミンが胃内で亜硝酸と反応することにより生成する。
  2. Bは、肉や魚の加熱により生成し、シトクロム P450 及びアセチルトランスフェラーゼにより代謝されて変異原性を示す。
  3. Cは、輸入ピーナツに付着した Aspergillus flavus が産生する発がん物質である。
  4. Dは、神経毒性を有し、じゃがいもを高温で加熱調理することで生成する。
  5. Eは、魚のくん製に含まれる発がん物質である。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1 ですが
A はアクリルアミドです。代表的な生成原因として、ポテトチップス製造工程の加熱時に、ジャガイモに多く含まれるアスパラギンが糖と反応してアクリルアミドが生じるというものがあります。(101-123)。ジメチルアミンが亜硝酸と反応して生じるのは「ニトロソアミン」です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
B は Trp-P-2 です。ヘテロサイクリックアミンの一種です。

選択肢 3 ですが
C は ベンゾ[a]ピレンです。ベンゾ[a]ピレンは、食品の焦げた部分などに含まれる多環芳香族炭化水素の一種です。(98-123)。ピーナッツ付着カビが産生する発がん物質は、アフラトキシンです。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
D は ジメチルニトロソアミンです。記述はアクリルアミドについてです。選択肢 1,4 が逆の記述です。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
E はアフラトキシン B1です。ピーナッツ付着カビが産生する発がん物質です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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