薬剤師国家試験 第101回 問62 過去問解説

 問 題     

骨量に対する作用として、骨吸収抑制を主な作用機序としない骨粗しょう症治療薬はどれか。1つ選べ。

  1. ビスホスホネート製剤
  2. SERM (選択的エストロゲン受容体モジュレータ)
  3. エストロゲン製剤
  4. ビタミン K2 製剤
  5. カルシトニン製剤

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

骨粗しょう症薬の作用は大きく2つに分類されます。1つは、骨からの Ca 吸収を抑制する作用です。(骨から Ca が減るのを抑制する。)もう1つは骨形成を促進する作用です。(骨にもっと Ca を貯める)

選択肢 1,2,3,5 は
それぞれ骨吸収を抑制します。

選択肢 4 は
骨形成促進薬です。

以上より、正解は 4 です。

ちなみに、ビスホスホネート製剤の代表例はアレンドロン酸ナトリウム(フォサマック、ボナロン)です。破骨細胞による骨吸収を抑制します。

SERM の代表例はラロキシフェン(エビスタ)です。骨に対しては女性ホルモン類似の作用を示すが、子宮などでは抗女性ホルモン作用を示します。

エストロゲン製剤の代表例は、エストラジオール(ジュリナ)です。

ビタミン K2 製剤の代表例は、メナテトレノン(グラケー)です。骨芽細胞活性化により骨形成を促進します。※ワルファリン投与患者には、禁忌です。

カルシトニン製剤の代表例は、サケカルシトニン(サーモトニン)です。注射製剤です。破骨細胞に作用して骨吸収を抑制します。疼痛除去にも効果が認められているのが特徴です。

類題 100-262263
参考 病態・薬物治療学まとめ 骨粗しょう症の病態生理、治療薬、注意点
 

コメント