問 題
血液・造血組織に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ダルベポエチンアルファは、赤芽球前駆細胞に作用して赤血球への分化・増殖を促進し、腎性貧血を改善する。
- メコバラミンは、胃切除後の患者において低下している食物からのビタミンB6の吸収を促進し、巨赤芽球性貧血を改善する。
- 葉酸は、血漿中の鉄の造血組織への移行を促進し、鉄芽球性貧血を改善する。
- フィルグラスチムは、顆粒球系前駆細胞からの好中球産生を促進し、好中球減少症を改善する。
- ミリモスチムは、トロンボポエチン受容体を刺激し、血小板減少症を改善する。
正解.1, 4
解 説
選択肢 1 は、正しい選択肢です。
選択肢 2 ですが
メコバラミンは、ビタミン B12 製剤です。巨赤芽球性貧血治療薬です。巨赤芽球性貧血とは、ビタミン B12 や葉酸欠乏によりおきる貧血です。
ビタミン B12 は、胃の壁細胞から分泌される内因子と呼ばれる糖タンパク質と結合することで小腸から吸収されます。そのため、胃切除後は内因子が欠乏するためビタミン B12 が吸収されず欠乏します。そこでメコバラミンが、皮下、筋注などで処方されます。食物からのビタミン B6 吸収を促進するわけでは、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
葉酸は、葉酸欠乏性貧血治療薬です。メトトレキサートという抗リウマチ薬の副作用として生じる葉酸欠乏症貧血に対してよく用いられる薬です。鉄芽球性貧血改善薬では、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい選択肢です。
選択肢 5 ですが
ミリモスチムは、白血球減少症治療薬です。M-CSF(Macrophage-colony stimulating factor)製剤と呼ばれます。この製剤は主に単球マクロファージを増加させます。トロンボポエチン受容体を刺激するわけではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
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