問 題
アミノ酸に関する次の記述のうち最も妥当なのはどれか。
1. アミノ酸とは、同一の炭素にカルボキシ基とアミノ基が結合した化合物のことをいい、アミノ
酸にニンヒドリンを加えて加熱すると、黄色~橙黄色を呈する。
2. アミノ酸は pH が低い水溶液中では陰イオンになりやすく、pH が高い水溶液中では陽イオ
ンになりやすい。
3. タンパク質に含まれるトリプトファン、チロシン、フェニルアラニンは、250~ 290 nm の紫外線を吸収する性質があるため、一般にタンパク質の紫外線吸収スペクトルは 280 nm 付近に極大を示す。
4. 必須アミノ酸とは、人体内で合成できないアミノ酸で、食事から摂取する必要があるものであ
る。ヒトの必須アミノ酸には、システイン、トリプトファン、ヒスチジンなど9種類ある。
5. 生体内タンパク質を構成するアミノ酸は全て D 型である。その例として、グリシン、ロイシ
ン、オルニチン、シトルリンがある。
解 説
選択肢 1 ですが
ニンヒドリン反応の結果できるルーエマン紫は「青紫色」です。また、プロリンのみ、黄色を呈する共役化合物ができます。「黄色~橙黄色」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
pH が低いと H+ が付与されるため「陽イオン」になりやすいです。pH が高いと H+ が奪われるため「陰イオン」になりやすいです。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当な記述です。
選択肢 4 ですが
システインは、必須アミノ酸ではありません。ちなみに必須アミノ酸のゴロは「雨降りバスとろい。ひ~。」が有名です。
め→メチオニン
ふ→フェニルアラニン
り→リジン
バ→バリン
ス→スレオニン
ト→トリプトファン
ロ→ロイシン
イ→イソロイシン
ひ→ヒスチジン です。※「あ」に意味はありません。
参考 衛生薬学 1-1 3)
選択肢 5 ですが
ほとんどが「L」型です。D ではありません。また、オルニチンやシトルリンはタンパク質構成アミノ酸ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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