国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問58解説

 問 題     

化学物質の規制と安全性評価に関する記述㋐ ㋑ ㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 化審法*は、ヒトの健康ばかりでなく、環境中の動植物に対する影響が考慮されており、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などがその対象となっている。
㋑ 不可逆的な毒性を引き起こす発がん性物質には閾値がないことから、理論的には許容1日摂取量(acceptable daily intake, ADI)を求めることはできない。
㋒ 化学物質のADI を求める場合、動物実験で得られた無毒性量(NOAEL)に種差及び個体差を勘案して安全係数100を乗じる。

(注)*「正式には化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」

1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋒
3. ㋑
4. ㋑ ㋒
5. ㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐、㋑ は妥当な記述です。
PCB は、第一種特定化学物質の一つです。第一種特定化学物質とは、難分解性、高蓄積性を持ち、かつ長期毒性 or 慢性毒性を有する物質で指定を受けたものです。

㋒ ですが
安全係数で割ります。乗じては NOAEL よりも大きくなってしまいます。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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