薬物の胎児への移行

胎児は、母体の胎盤とつながっており、胎盤において、母体血に含まれる酸素や栄養分を受け取ります。胎盤とは
母体と胎児を隔てる盤状のものです。母体の子宮に存在し、へその緒で胎児とつながっています。胎盤において、層状構造をした細胞の集まりによって、母体血と、胎児血は完全に隔てられています。この細胞の層状構造が、血液胎盤関門の実体です。胎児と母体 及び 胎盤、血液胎盤関門の関係についてイメージは、以下のようになります。

母体血に含まれる薬物が胎児へと移行する場合は、血液胎盤関門を超える必要があります。薬物の移行は受動拡散により行われます。受動拡散であるため、1:分子量1000を超えるような薬物は原則、ほぼ通過しない。2:脂溶性の方が、通過しやすい。といった特徴があります。

また、血液胎盤関門においては、トランスポーターも発現しています。例えば、P-糖タンパク質が発現しており、薬物を母体側へと排出することで胎児への薬物移行を妨げる働きを担っています。

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