アレルギーは、I 型~ IV 型に分類されます。一般にアレルギー疾患という時は、I 型アレルギーをさします。I 型アレルギーは、IgE が関与します。
アレルギー治療薬は、作用機序に基づき大きく 9 つに分類されます。
ⅰ.ケミカルメディエーター遊離抑制薬
ⅱ.第一世代 H1 受容体遮断薬
ⅲ.抗アレルギ-性 H1 受容体遮断薬
ⅳ.非鎮静性 H1 受容体遮断薬
ⅴ.トロンボキサン(TX:thromboxane)合成酵素阻害薬
ⅵ.TXA2 受容体遮断薬
ⅶ.ロイコトリエン受容体遮断薬
ⅷ.ロイコトリエン遊離抑制薬
ⅸ Th2 サイトカイン阻害薬
ⅰ.ケミカルメディエーター遊離抑制薬
このタイプの代表的な薬は
・クロモグリク酸ナトリウム(インタール)
・トラニラスト(リザベン)
・ペミロラストカリウム(ペミラストン)
などが挙げられます。( )の中が商品名の一例になります。
クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウムは、ケミカルメディエーター遊離抑制薬です。予防的に用いられ、効果発現に2~3週間かかることが特徴です。
ⅱ.第一世代 H1 受容体遮断薬
このタイプの代表的な薬は
・ジフェンヒドラミン(レスタミン)
・クロルフェニラミン
・クレマスチン(タベジール)
・プロメタジン(ヒベルナ)
・シプロヘプタジン(ペリアクチン)
などが挙げられます。
ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、プロメタジン、シプロヘプタジンは第一世代 H1 受容体遮断薬です。抗コリン作用が強い傾向にあります。そのため、口渇、眠気といった副作用があります。
ⅲ.抗アレルギ-性 H1 受容体遮断薬
このタイプの代表的な薬は
・アゼラスチン(アゼブチン)
・ケトチフェン(ザジテン)
・オキサトミド(セルテクト)
などが挙げられます。
アゼラスチン、ケトチフェン、オキサトミドは、抗アレルギ-性 H1 受容体遮断薬です。H1 遮断作用に加え、ケミカルメディエーター遊離抑制作用もあります。
ⅳ.非鎮静性 H1 受容体遮断薬
このタイプの代表的な薬は
・メキタジン(ゼスラン)
・エピナスチン(アレジオン)
・フェキソフェナジン(アレグラ)
・セチリジン(ジルテック)
・エバスチン(エバステル)
・オロパタジン(アレロック)
・ロラタジン(クラリチン)
などが挙げられます。
メキタジン、エピナスチン、フェキソフェナジン、セチリジン、エバスチン、オロパタジン、ロラタジンは、非鎮静性 H1 受容体遮断薬です。眠気があまりでないように改良された H1 受容体遮断薬です。
ⅴ.トロンボキサン(TX:thromboxane)合成酵素阻害薬
このタイプの代表的な薬は
・オザグレル(ドメナン)
などが挙げられます。
オザグレルは、トロンボキサン(TX:thromboxane)合成酵素阻害薬です。TX 合成酵素を阻害することにより、TXA2 の産生を抑制します。これにより気道過敏性が抑制されます。気管支喘息が適応です。
ⅵ.TXA2 受容体遮断薬
このタイプの代表的な薬は
・セラトロダスト(ブロニカ)
・ラマトロバン(バイナス)
などが挙げられます。
セラトロダスト、ラマトロバンは、TXA2 受容体遮断薬です。セラトロダストの適応は、気管支喘息です。ラマトロバンの適応は、アレルギー性鼻炎です。
ⅶ.ロイコトリエン受容体遮断薬
このタイプの代表的な薬は
・プランルカスト(オノン)
・モンテルカストナトリウム(シングレア)
・ザフィルルカスト(アコレート)
・アンレキサノクス(エリックス)
などが挙げられます。
プランルカスト、モンテルカストナトリウム、ザフィルルカスト、アンレキサノクスは、ロイコトリエン受容体遮断薬です。
プランルカスト、モンテルカストは、LTC4 , LTD4 受容体を遮断します。
ザフィルルカストは、LTD4 受容体を遮断します。
アンレキサノクスは、LT 拮抗作用にくわえ、ヒスタミン遊離抑制作用などを示します。
ⅷ.ロイコトリエン遊離抑制薬
このタイプの代表的な薬は
・イブジラスト(ケタス)
などが挙げられます。
イブジラストは、ロイコトリエン遊離抑制薬です。
ⅸ Th2 サイトカイン阻害薬
このタイプの代表的な薬は
・スプラタスト(アイピーディー)
などが挙げられます。
スプラタストは、Th2 サイトカイン阻害薬です。Th2 細胞の IL-4、IL-5 産生を抑制します。又、肥満細胞からのケミカルメディエーター遊離抑制作用も持ちます。
代表的な抗アレルギー薬をまとめると、以下の表になります。
コメント