99回薬剤師国家試験 問333解説

 問 題     

56歳男性。以前より内科で処方されているワルファリンカリウム錠を服用している。以前の服薬指導時には、何も問題はなかったが、今回の来局時に「2日前から歯磨き時に歯茎の出血が止まりにくくなった。」との訴えがあった。出血の原因として疑われるのはどれか。2つ選べ。

  1. シメチジン含有の一般用医薬品の服用
  2. クロレラの摂取
  3. イコサペント酸エチル含有のサプリメントの摂取
  4. 納豆の摂取

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

ワルファリンは、ビタミン K 依存性凝固因子に作用する抗凝固薬です。ビタミン K が過剰に存在するとワーファリンの効果が抑制されます。

ビタミン K が過剰に含まれる食品としてワーファリン服用中に注意すべき食品として、納豆、及びクロレラがあります。これらを摂取したとすればワーファリンの効果が弱まり出血傾向は、むしろ抑制されるはずです。つまり、選択肢 2,4 は誤りです。

以上より、正解は 1,3 です。

ちなみに、シメチジンは、CYP 阻害 を介してワーファリンの血中濃度を上昇させるため出血傾向が亢進する可能性があります。又、EPAには抗凝固作用があるため相乗効果により、出血傾向が亢進する可能性があります。

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