薬剤師国家試験 第99回 問177 過去問解説

　問 題　　　　　

高分子材料に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. ゼラチン水溶液に貧溶媒のエタノールを加え続けると、ゼラチンの高濃度相(コアセルベート)が分離する。
2. ヒアルロン酸ナトリウムは、優れた保水性を有する天然高分子である。
3. マクロゴール6000は、常温で液体である。
4. セラセフェートは、pH2付近で溶解する胃溶性高分子である。
5. カルメロースカルシウムは、水に容易に溶解し、増粘剤として用いられる。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

選択肢 1,2 は、正しい記述です。

選択肢 3 ですが
マクロゴールは、平均分子量により、常温で液状、ワセリン状、固体状の形態をとります。マクロゴール 6000 は、常温で固体です。液体では、ありません。ちなみに、１０００より低いものが液体です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
セラセフェートとは、酢酸フタル酸セルロースのことです。腸溶性コーティング剤に用いられます。胃溶性ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
カルメロースカルシウムは、主に崩壊剤として用いられます。増粘剤として使われるのはカルメロースナトリウムなどです。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。