問 題
末梢循環を改善する薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- イソクスプリンは、血管平滑筋のアドレナリンβ2受容体を刺激する。
- エポプロステノールは、血管平滑筋のプロスタノイドIP受容体を刺激する。
- カリジノゲナーゼは、酵素作用によりキニノーゲンを産生させる。
- タダラフィルは、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼを阻害する。
- ボセンタンは、エンドセリンETB受容体を選択的に遮断する。
正解.1, 2
解 説
選択肢 1,2 は正しい記述です。
選択肢 3 ですが
カリジノゲナーゼ(カルナクリン)は、キニノーゲンというタンパク質からキニンを遊離させる薬です。キニノーゲンを産生させるわけでは、ありません。ちなみに、キニンは生理活性ペプチドの一種であり、平滑筋に直接作用して血管拡張作用を示します。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
タダラフィルは、ホスホジエステラーゼ(PDE)5 阻害薬です。グアニル酸シクラーゼ阻害薬では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
ボセンタンは、エンドセリン(ET)受容体拮抗薬です。ET 受容体には、ETA 、ETB という
サブタイプがあります。ボセンタンは、これらの受容体に対し非選択的に作用します。ETB 選択的遮断薬では、ありません。よって、選択肢 5 は誤りです。
ちなみに、ET 選択的遮断薬としては、ETA 選択的遮断薬のアンブリセンタン(ヴォリブリス)があります。共に、肺動脈性高血圧症の薬です。
以上より、正解は 1,2 です。
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