99回薬剤師国家試験 問156解説

 問 題     

抗てんかん薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ガバペンチンは、γ-アミノ酪酸(GABA)トランスポーターを阻害して、シナプス間隙のGABA量を増加させる。
  2. クロバザムは、ベンゾジアゼピン受容体に結合し、GABA作動性神経伝達を増強する。
  3. スルチアムは、炭酸脱水酵素を阻害し、神経細胞の過剰興奮を抑制する。
  4. フェノバルビタールは、神経細胞内へのCl流入を抑制し、神経細胞膜を過分極させる。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

選択肢 1 ですが
ガバペンチンは、2つの作用機序により効果を発現します。Caチャネルα2σ リガンドとしての作用と、GABA トランスポータ活性化です。GABA トランスポータ阻害では、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 は正しい記述です。

選択肢 4 ですが
フェノバルビタールは、GABAA 受容体に結合し、GABA 神経系の活動性を高めることで抗てんかん作用を示します。この際、Cl流入は促進されます。Cl流入を抑制するわけでは、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

以上より、正解は 2,3 です。

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