薬剤師国家試験 第99回 問155 過去問解説

 問 題     

痛みの治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. トラマドールは、Ca2チャネルを直接遮断して、グルタミン酸の過剰放出を抑制する。
  2. フェンタニルは、ノルアドレナリンの再取り込みを促進して、下行性の痛覚抑制系を活性化する。
  3. プレガバリンは、オピオイドμ受容体を刺激して、上行性の痛覚伝導系を抑制する。
  4. メキシレチンは、Naチャネルを遮断して、知覚神経軸索における興奮伝導を抑制する。
  5. ゾルミトリプタンは、セロトニン5-HT1B及び5-HT1D受容体を刺激して、脳血管を収縮させる。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
トラマドール(トラムセット)は、μ 受容体刺激 及び セロトニン・ノルアドレナリン 再取り込み阻害作用を併せ持つ、コデイン類似の化合物です。Ca2+ チャネルを直接遮断する薬ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
フェンタニルは、μ 受容体作動薬です。ノルアドレナリンの再取り込み促進は知られていません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
プレガバリン(リリカ)は、Ca チャネルα2σリガンド に分類される GABA 誘導体です。μ 受容体を刺激する薬ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 は正しい記述です。

以上より、正解は 4,5 です。

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