薬剤師国家試験 第99回 問152 過去問解説

 問 題     

アドレナリン作動薬の基本骨格に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 基本骨格はフェニルエチルアミンである。
  2. 芳香環とアミノ基の間に炭素原子が3個存在する場合に、最も強いアドレナリン受容体刺激作用を示す。
  3. アミノ基に結合しているアルキル置換基が大きいほど、アドレナリンβ受容体刺激作用が強い。
  4. 芳香環の3,4位にヒドロキシ基がつくことで、アドレナリンα及びβ受容体刺激作用は最大となる。
  5. 芳香環のヒドロキシ基がなくなると、中枢作用が強くなる。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1 は、正しい記述です。
アドレナリン作動薬の基本骨格は、β-フェニルエチルアミン です。

選択肢 2 ですが
芳香環とアミノ基の間の炭素原子が 2 個の場合が、最も強いアドレナリン受容体刺激作用を示します。3個では、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、正しい記述です。
アルキル置換基が大きいほど、アドレナリン β 作用が上がります。

選択肢 4 ですが、正しい記述です。
3,4 位の OH は、α 及び β 作用を増強します。

選択肢 5 は、正しい記述です。
ベンゼン環に置換基がない場合、COMT という代謝酵素の作用を受けず、中枢移行しやすくなることがわかっています。つまり、中枢作用が強くなります。

以上より、正解は 2 です。

コメント