薬剤師国家試験 第99回 問121 過去問解説

 問 題     

タンパク質とその栄養価に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. タンパク質100gに含まれる窒素の量は平均6.25gである。
  2. 生物価が高いタンパク質ほど正味タンパク質利用率も高い。
  3. 生物価に対する正味タンパク質利用率の割合が消化吸収率である。
  4. タンパク質中の必須アミノ酸の中で、含量が最も少ないアミノ酸を第一制限アミノ酸という。
  5. 一定時間に尿中に排泄される窒素量から、タンパク質の体内での燃焼量を推定することができる。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
窒素 1g あたり、大体タンパク質になおすと 6g ぐらいです。すると、タンパク質 100 g は、窒素 約 16 g です。ちなみに、窒素 1g あたりのタンパク質量がまったくわからなくても、アミノ酸の平均分子量が、大体 100 でありその中に窒素(分子量 14)は、最低でも 1 つ入っていることからこの選択肢が誤りであると推測することができると考えられます。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
生物価とは、吸収したタンパク質に対して体に保持されたタンパク質の比です。正味タンパク質利用率とは、摂取したタンパク質がどれくらい体内に保持されたかです。つまり「ほとんど吸収されないが、吸収されたタンパク質はほとんど保持される」ようなタンパク質では、生物価が高く、正味タンパク質利用率が低くなるといえます。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、その通りの記述です。

選択肢 4 ですが
第一制限アミノ酸とは、タンパク質中のアミノ酸の必要量に対し最も「充足率」が低いものです。「含量」では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、その通りの記述です。

以上より、正解は 3,5 です。

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