問 題
アミノ酸(C)の生合成過程の一部を示した図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- Aはアスパラギン酸を酸化すると得られる。
- AからBへの変換において生じるXは水である。
- Bはラクタム構造をもつ。
- BはNADHによって還元されて最終的にCになる。
- Cの名称はヒスチジンである。
正解.2, 4
解 説
1の説明内の「アスパラギン酸を酸化」が誤りで、正しくは「グルタミン酸を還元」です。アスパラギン酸の構造は、グルタミン酸よりも炭素鎖「-CH2-」がひとつ少ないです。A はグルタミン酸が還元されて、左端がカルボン酸からアルデヒドに変わっています。
2は、A と B それぞれの原子の種類と数を比べていくと、B のほうが H が 2 つと O が 1 つ少ないことがわかります。つまり H2O が抜ける反応なので、これは脱水反応(より正確には脱水縮合)であり、X は水で正しいです。
3で、ラクタム構造とは以下のような構造です。
上図では4員環、5員環、6員環になっていますが、3員環でも7員環でもいくつでもラクタム構造です。つまり、アミド結合の C と N を含む環状構造がラクタム構造です。B はこの構造を持っていません。
4で、B と C を比べると、C=N の二重結合に水素が2原子付加しています。水素が結合することを「還元される」ともいうので、これは正しいです。
5について、C はプロリンです。20種類のアミノ酸の構造式は覚えておくことをお勧めします。
以上から、正解は 2 と 4 です。
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