薬剤師国家試験 第99回 問58 過去問解説

 問 題     

急性前骨髄球性白血病について、正しいのはどれか。1 つ選べ。

  1. フィラデルフィア染色体が形成される。
  2. CD20 抗原が認められる。
  3. 転座染色体 t (8:22) が認められる。
  4. PML-RARα 融合遺伝子が認められる。
  5. BRCA1 遺伝子に変異が認められる。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ですが
フィラデルフィア染色体が見られるのは、慢性骨髄性白血病及び、急性リンパ性白血病です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
CD20抗原は、B 細胞性の悪性リンパ腫の多くに存在しています。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
急性前骨髄球性白血病で見られるのは、15番染色体と、17番染色体の転座です。つまり t(15:17) です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 はその通りの記述です。
15番染色体と、17番染色体の転座により、PML / RARα 融合遺伝子が作られます。

選択肢 5 ですが
BRCA1遺伝子とは、がん抑制遺伝子の1つです。この遺伝子は、乳がんや卵巣がんの発症と関連していることがわかっています。急性前骨髄性白血病で変異が見られるということはありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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