薬剤師国家試験 第99回 問40 過去問解説

 問 題     

Bcr-Abl チロシンキナーゼを阻害し、抗悪性腫瘍作用を示す薬物はどれか。1 つ選べ。

  1. メトトレキサート
  2. イマチニブ
  3. ブレオマイシン
  4. ゲフィチニブ
  5. イリノテカン

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1 ですが
メトトレキサートは、免疫抑制剤です。チロシンキナーゼ阻害薬では、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は正しい記述です。
イマチニブは、Bcr-Abl チロシンキナーゼ阻害薬です。

選択肢 3 ですが
ブレオマイシンは抗腫瘍抗生物質です。金属イオンを補因子としてキレートし、分子状酸素を活性化することでフリーラジカルを作ってDNAを損傷すると考えられています。チロシンキナーゼ阻害薬では、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ゲフィチニブ(商品名イレッサ)は、上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼを選択的に阻害する低分子抗がん剤です。非小細胞肺がんに対する治療薬として使用されます。チロシンキナーゼ阻害薬では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
イリノテカンは、DNAトポイソメラーゼ I を阻害して抗悪性腫瘍作用を示す、抗腫瘍植物アルカロイドの一種です。チロシンキナーゼ阻害薬では、ありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。
類題 97-222223
参考 病態・薬物治療学まとめ 白血病の病態生理、治療薬、注意点

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