薬剤師国家試験 第98回 問45 過去問解説

 問 題     

ある薬物が併用薬物の体内動態を変動させる要因のうち、併用薬物の血中濃度を低下させるのはどれか。1つ選べ。

  1. 消化管吸収の促進
  2. 肝代謝酵素の阻害
  3. 胆汁排泄の阻害
  4. 腎尿細管再吸収の阻害
  5. 腎尿細管分泌の阻害

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

消化管吸収の促進は、一般的に、血中への薬物移行が促進されるということなので血中濃度は増加します。よって、選択肢 1 は誤りです。

肝代謝酵素が阻害されれば、併用薬物の代謝が阻害されるので、血中濃度は上昇します。よって、選択肢 2 は誤りです。

胆汁排泄が阻害されれば、併用薬物が胆汁から排泄される場合、排泄されなくなるので血中濃度は上昇します。よって、選択肢 3 は誤りです。

腎尿細管再吸収が阻害されると、血中への再吸収が阻害されるため、より尿中に薬物が排泄されることになります。よって、血中濃度は低下します。

腎尿細管分泌が阻害されると、尿中への排出は阻害されることになるため、血中濃度は上昇します。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

参考 薬剤学まとめ 薬物の体内動態と薬効発現の関わり

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