問 題
粉体の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 粉砕しても、その比表面積は変化しない。
- 粉砕すると、安息角は小さくなる。
- 粒子径が大きいほど、空隙率が大きい粉体層を形成する。
- 個数平均径Dnと質量平均径Dwを比較すると、Dn < Dwである。
- ガス吸着法や空気透過法による粒子径測定では、粒度分布は得られない。
正解.4, 5
解 説
比表面積とは、単位質量あたりの表面積、又は、単位体積あたりの表面積です。粉砕すると、質量、総体積は変わらず、表面積が大きくなるため比表面積は大きくなります。よって、比表面積は変化しないわけではないので、選択肢 1 は誤りです。
安息角とは、粉体を静かに落下させた時に、円すい形に堆積した時の、円すいの母線と水平面のなす角です。粒子径が小さくなると、安息角は一般に増加します。粉砕するとは、粒子径が小さくなるということなので安息角は大きくなります。よって、選択肢 2 は誤りです。
空隙率とは、単位体積あたりのすきまの割合のことです。粒子径が「小さく」なるほど、凝集性が大きくなり空隙率が大きくなることが知られています。よって、選択肢 3 は誤りです。
個数平均径とは
です。一般に、他の平均径よりも、分布の形に関係なく小さくなります。
質量平均径とは
です。一般に、他の平均径よりも、分布の形に関係なく大きくなります。
ガス吸着法や空気透過法は、粉体粒子の比表面積を求める測定法です。よって、粒度分布を得ることはできません。
ガス吸着法のイメージ
空気透過法のイメージ
比表面積は、コゼニー・カーマンの式と呼ばれる以下の式で求めることができます。
以上より、正解は 4,5 です。
コメント